不思議を売る男-ジュラルディン・マコーリアン ~言葉と詩の花束No.1~
2000.09.02著
『人の手が作ったどんなものが、
それを作った人の手にかえられましょう。』
ジュラルディン・マコーリアン著
”不思議を売る男”-第2章:中国のお皿[大切なものの話]より
大金持ちの娘リウはリウの結婚式当日に父親の弟子で陶工の
ウン・ファンと駆け落ちします。
船で遠い国へ旅立とうと乗船を懇願した商船の船長は、ウン・ファンが
リウのために渾身込めて作った柳の皿と二人の自由を引き換えに
乗船をさせてやろうと脅します。
「私にとって価値があるものは、世界でこれひとつだけ」と言っていた
リウにとって命より大切な一つの皿・・・。
リウは『どんなお皿が二つの心臓の運命にかえられましょう。・・』
とお皿を手渡すことを決意します。
すべての形あるものはいつかは滅び去ります。
”にんげん”をも含めて・・。
本当は、”もの”に価値があるのではなく、
それを作り出した”手”の所有者である
”にんげん”の営みというものにこそ価値があるということなのですよね。
”金”というものは、いつも”もの”にばかり目を向けたがらせます
ので、いつの間にか、作り出した人間の感性とか苦悩とか苛立ち
とか品格などを一切慮ることなく感謝の念を忘れてしまうということ
に陥り、私たちは自らの感性を摩滅させているのかもしれません。
ちなみに、同書第11章”鉛の兵隊”は訳者もあとがきされている
のと同じく、私も、内容の濃い稀に見る珠玉の短編だと思います。
夏休みの読書は終わってしまいましたが、中学生以上の学生の
皆さんはもちろんのこと、どのような皆様にもお奨めの1冊です。
不思議を売る男
エイルサが図書館で出会ったその男は翌日から、エイルサの母親の古道具店ではたらくことになった。はじめは不審に思っていたエイルサ親子も、その男の商売のうまさに魅せられていく。というもの、男は、まことしやかにそれぞれの古道具の由来を客に語ってきかせ、客をその品物に夢中にさせるのだ。エイルサ親子も、客同様、その謎の男の話にひきこまれていく…。
(「BOOK」データベースより)
短編集です。この中にある、【鉛の兵隊】も是非お読み下さい!!



