環境とエントロピー-読者の皆様から-
2001.01.17著
環境に関してはこのような意見頂きました。
私のような自分勝手な人間でも、日頃から、それがとりもなおさず自分達を破滅に追いやる行為であることも自覚せずに地球や他の動植物に危害を加えて平気でいる人間という生き物にかなりうんざりしています。
まるで病原菌か寄生虫が自分達の生活の場を食い荒らし、それが最終的には自分達の死につながるようなものです。
(あまり過激なことを言うと嫌われるのでこれくらいにします)
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ありがとうございます。
過激なことは全然ないと思います。
物理・化学の世界には”エントロピー”という概念があります。
もっと具体的に言うと熱力学の第二法則になります。
ゲーッ!
第一法則は所謂エネルギー保存の法則で私たちは感覚的にも捉えやすいものですが、第二法則はなかなか掴みにくいものですね。
身体が拒否反応を起こします。
「理想的な熱機関は作れない」とかいろんな言葉で説明されますが、先生もなかなか分かるようには説明してくれない代物ですよね。
これを分かり易く言い換えれば、”乱雑さ”とか”無秩序さ”という意味合いの概念で、(熱的)状態を表す量とお考え頂ければよいかと思います。
例えば、自分の家を掃除しないで放っておくと足の踏み場も無いという収集のつかない状態になりますよね。
これを”エントロピーが増大した”と言います。
先の震災の例でもそうですが、この状態をきちんと整理された規則正しい状態に戻す為には、凄まじいエネルギーを投入しなければなりません。
その涙ぐましい結果、元の状態に戻ったとしましょう?
エントロピーは状態を表す量ですから、増大していたエントロピーは再び減少して最初と同じ値になっているわけです。
じゃあ、それでいいじゃないということになりますね。
ここで忘れてならないのは、元に戻す為に私たちは涙ぐましい努力をしたという事実なんです。
即ちエネルギーを投入したことによって、私たち自身のエントロピーが増大してしまった!!
熱は高い方から低い方に流れるのが自然の大法則ですね。
滝は上から下に落ちるものであるのと同じことです。
自然に元の状態に戻すことなどは忍者でもない限り出来ない相談です。
あ、そうか、忍者を使っちゃやっぱり”自然に”にはならない!失敬!
お聞きになられたことがおありかもしれませんが、これを”不可逆過程”と呼びます。
先の掃除の例では、部屋という系だけで見ていると確実にエントロピーは増大しています。
しかし、普通の人間という系と関わってくることによって(物理学的には前者を”閉鎖系”後者を”開放系”と呼びます。)部屋の系はエントロピーを人間の系に捨てることができるという可能性が出てくるわけです。
但し、極度に自分のエントロピーが増大することを嫌う人の系と関わりをもつと、その部屋の系は関わりを持たない方がましというような惨憺たるカオスの状態に陥ってしまうのですが・・・。
ここまでのお話で少しイメージがお分かり頂ければ、地球の自然サイクルはエントロピーを蓄積しないように営まれていることがある程度想像できるのではないかと思います。
宇宙に対して開放されているからこそ、本来エントロピーが蓄積しないのです!
地球のエントロピーは宇宙に捨てることが出来るんですね!
この常識を覆すのがオゾン層破壊!
そして、”熱”以上に、より現代の問題は、”もの”のエントロピーですね。
この”もの”は”熱”のような訳には行かないんです。
中島みゆきさんの歌ではありませんが、
「月の日、火の日、水の日、木の日、金に踊って、土と日に返る」とはいかない”もの”を私たちは作って来たのです。
「金に踊って、返る場所が無い!」状態ですよね。
資源の枯渇の問題や自然に返ることの出来ない”もの”をどう処理するかという問題とともに、より根源的に”今後これをどう考えて臨むのか”という最大の課題を明確にしていかなければ、手におえない混沌=エントロピー増大地獄に陥ちていくのも時間の問題であるのははっきりしています。
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